「子どもがいるから、離婚なんてできない」
「成人するまでは、頑張るしかない」
そんなふうに思っている人、少なくないと思う。
私もそうだった。
「離婚」という言葉が頭をよぎったとき、
真っ先に浮かんだのは、「でも、子どもがいるから」という思いだった。
やっぱり、両親がそろっていたほうがいいのかな。
家族という形を壊すことが、子どもにとって傷になるんじゃないか。
そんなふうに、何度も自分の気持ちにフタをした。
でも、ある時ふと考えた。
夫婦の関係が冷え切っている中で、
同じ屋根の下にいることが、本当に子どものためになるのだろうか?
我慢を続ける毎日の中で、
自分がどんどんすり減っていく感覚があった。
そして私は、離婚を選んだ。
もちろん、その選択が「正解」だったとは今でも言い切れない。
でも、少なくとも、私にとっては、あの決断は間違っていなかったと思っている。
子どもにとって大事なのは、「両親がそろっている」という形式ではなく、
親が自分らしく、幸せに生きている姿なんじゃないかと思うようになった。
「家族」という形にこだわるよりも、
一人ひとりが、自分の人生をきちんと生きること。
その背中を、子どもに見せることの方が大切なんじゃないか。
もちろん、親としての責任や愛情はずっと持ち続けている。
でも、自分がボロボロのままで誰かを守ることはできない。
まずは、自分がしあわせになること。
そこから、ほんとうの愛情が始まる気がする。
そんなある日、子どもが大学生になった頃、思い切って聞いてみた。
「離婚なんかしちゃって、ごめんね」って。
わたしにとっては、勇気をふりしぼった言葉だった。
すると、こんなふうに返してくれた。
「ママが幸せなら、それでいいよ」
そのひとことに、私は救われた。
この言葉に出会えただけで、あの選択は無駄じゃなかったと、今は思える。
同じように悩んでいる誰かの心に、少しでも届けばうれしいです。
私自身も、たくさん迷って、苦しんで、決めました。
だからこそ、同じように悩む方の気持ちに、少しでも寄り添えたらと思っています。
一歩踏み出すためのきっかけやヒント、よければお話ししませんか?